『ぶらあぼ』誌 掲載
歌曲や合唱曲、オペラの創作を中心に活躍する作曲家、朝岡真木子の作品を集めたコンサートシリーズ「音のパレット」。本盤は 2012 年に行われた同コンサート「II」のライブ録音である。朝岡の作品は、詩の抑揚に沿いつつチャーミングさも漂わせた旋律に色とりどりのハーモニーが寄り添い、情景と言葉の質感を鮮やかに届けてくれるもの。それを
オペラ、歌曲の両分野で長きにわたり活躍するバス・バリトンの佐藤征一郎が歌うことで、よりそれが確かな輪郭をもって聞こえてくる。特にタイトルにもなっている「子猫のミオとぼく」での佐藤のユーモアたっぷりの表現は必聴だ。
(長井 進之介氏 評)